ソフトウェア開発の会計実務Q&A
T ソフトウェア開発と売上
Q3−2 : 先のQ2の例における大手電話会社を通して利用者に情報を提供している場合の売上計上方法ですが、1つは、各地域の天気の情報を購入して問い合わせしてくる利用者に流し月額で情報料を頂く仕組みです。もう一つは、有名な漫画のキャラクターを主人公にしたゲームを利用者に使用させ利用時間に応じて利用料を頂く仕組みです。前者は定額を大手電話会社が利用者から課金して代金回収を代行してくれます。後者は大手電話会社を経由せず、当社が直接利用者に請求する方式です。これらの売上計上方法について教えてください。 A3−1:企業会計基準委員会より平成19年8月30日付けで草案として工事契約に関する「会計基準(案)」と「適用指針(案)」が公表されました。草案資料だけでの検討ですが、
A3−2:
結論 :定額制或いは従量制による課金ですが、売上計上の原則はサービス提供時点での認識ですので、前者は月定額を後者はサービス提供月での利用料を売上計上することになります。
説明 :前者の大手電話会社経由での売上については、以下の点に注意しなければなりません。
@ 大手電話会社からの報告は月遅れになることが多いので、報告を待っての売上計上は遅くなります。幸い本問では定額ですので利用者の登録さえできていれば自社で計算してサービス提供月に計上すべきです。定額でなく従量制でもヒット数等合理的に算定できる要素があれば報告を待たずに売上計上すべきです。ただ、自社計算と報告とが食い違った場合には通常では大手電話会社の報告が正ですので、自社計算の売上は「仮売上」とするのが妥当と思われます。ただ、レンタルサーバー利用やコンテンツだけを提供して、ヒット数や利用者人数とかが不明の場合等は大手電話会社からの報告に基づくことも止むを得ないとは思います。
A 金額は利用者への金額で、回収代行の手数料は「支払手数料」で費用処理し、回収できないと判断される分は売掛金計上後の貸倒と考えるべきです
後者の直接課金ですが、当然に自社で利用された代金を計算する仕組みを持っている筈ですのでその計算結果に基づいてサービス提供時に売上計上することになります。なお、クレジット等の手数料は前者と同様に支払手数料として費用処理し、回収できない分は貸倒引当金の対象となります。