ソフトウェア開発の会計実務Q&A
T ソフトウェア開発と売上
Q3−4. 当社は先のQ&A3-2に出てきますアフィリエイト・サービス・プロバイダーです。業務内容はECサイトとアフィリエイターとの間に入り両者の調整や料金の計算を行う業務を行っています。先の例のとおり、アフィリエイターから送客されたECサイトから報酬を受取りアフィリエイターに手数料を支払っています。その際に管理手数料を頂くのが当社の売上となります。例えばECサイトが支払う報酬を100とし当社は管理料として10%の10を頂き、残り90をアフィリエイターに支払うことに契約ではなっております。この場合の会計処理を教えてください。なお、資金は一旦当社の口座に入ってのち支払われることになっています。
A3−4.
結論 :ECサイト及び当社並びにアフィリエイターとの三者間の契約で、当社の売上は全体の10%でしたら売上は100ではなく10となります。
説明: 三者間の契約或いは、当社とECサイト・当社とアフィリエイターとのそれぞれの契約で当社のリスクにおいてECサイトからの報酬が当社の取り分、アフィリエイターへの支払いが当社からの義務となっていれば総額で計上することも考えられますが、それでも実態からすれば口銭と考えるのが妥当と思われます。
計上時期としてはサービス提供月となります。その際に売上は10でよいのですが、債権債務(代金の預け預かり)の管理上債権に100、債務に90を計上することも考えられます。90はアフィリエイターに代わって預っているとの考え方です。
別の問題として、アフィリエイターの多くはネット取引の常として匿名の場合が多いです。匿名ばかりでは当然ありませんが、判明しているのは振込口座と口座名義のみ住所・氏名が不明な相手に仕入とした場合には損金計上要件・消費税仕入税額控除の要件に触れる可能性もありますので、匿名の場合には慎重な対応が必要となります。