ソフトウェア開発の会計実務Q&A
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ソフトウェア開発の原価計算 Q5〜Q22
Q15. 製造間接費は費用計上(売上原価計上)してはダメでしょうか?
:直接原価計算は制度上十分に理解されていない状況は理解しましたが、プロジェクト直接関係のない費用は在庫や資産計上する原価の中に含まず、当期の期間費用として売上原価か販売管理費として落とすことはできませんか?
A15.
結論:金額が僅少ならば仕掛品等の資産原価計算に含めなくても問題ないと思います。また会社の規模が小さい場合には仕掛品には配賦せず製品のみに賦課しても良いとする通達もあります(法人税基本通達5−1−5)。
説明:間接費は地代家賃・事務品費等の原価要素的にプロジェクトには直接関係ない費用と原価要素の中身とは関係なく例えば会議の時間や調査研究の時間といった作業内容による間接費があります。資産の取得価額を構成する原価とは、物を製造或いは役務を提供するに際して原価費用の発生から価値移転してキャッシュを回収するサイクルに直接かかる原価を言います。従い物を製造或いは役務を提供することに関係なく発生する費用は、資産性を有せず期間費用として当期の損益に計上してもよいとは思いますが、間接ながらも製造に関係するならば、直接原価計算が認められていない状況下においては間接的にかかった費用を全部落とすという訳にはいかないと思います。
ただ、製造部門所属の人員が本社管理作業を行っているとか販売活動を行っている時間などは販売費及び一般管理費に振替えて期間費用計上も有り得ると思います。