ソフトウェア開発の会計実務Q&A
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ソフトウェア開発の原価計算 Q5〜Q22
Q6. 原価を集計する単位は何にすればよいでしょうか?
:当社は先のQ&A1での甲社です。現物の物を製している場合はその製品を原価集計単位にすれば良いと思いますが、当社の場合それぞれの業務での製品に代わる集計単位は何が妥当でしょうか?
A6.
結論: 貴社の売上に直接対応するコストです。即ち当社の製品若しくは発注元と契約した約束した内容を集計単位とすべきです。これを本書ではプロジェクトと呼んでいます(プロジェクトと申しますと、組織上の部門・課を跨って1つの目的達成の為に編成されたプロジェクトチームを想定されるケースが多いですが、ここでいうプロジェクトとは、組織上の部・課には関係なく、日常業務内において設定されている仕事の為に原価・費用及び収益・利益を集計する単位のことを指します。1つのプロジェクトに単数の部門(製造部門)や複数の部門(製造部門や営業部門)がある場合もあります)。
説明: 区分の概要は、概ね以下の様な区分になると思います。
業務種類 |
内 容 |
集計単位 |
人員派遣業務 |
当社人員を発注元に派遣し時間(月)単価にて請求する業務 |
先様への請求単位(売上単位)が人別作業時間ならば、原価も同様となります。 |
請負業務 |
発注元から製品の全部或いは一部の開発を委託され、これを期日までに納品する業務。 |
納品物 |
販売目的ソフトウェアの開発業務 |
特に発注元はなく、製品を不特定多数の顧客に販売する目的で、自社の計算・責任において作成するソフトウェアの開発業務。 |
完成した製品 |
自社利用ソフトウェアの開発業務 |
特に発注元はなく、自社の業務に使用する目的で、自社の計算・責任において作成するソフトウェアの開発業務。 |
社内利用で完成した目的物 |