ソフトウェア開発の会計実務Q&A
U
ソフトウェア開発の原価計算 Q5〜Q22
Q7. 原価を集計する基準は何にすればよいでしょうか?
:同じく先のQ&A1の甲社です。殆ど業務が自社従業員と外注先の協力会社の人員で行っています。彼らは全ての業務について同一人物が単一のプロジェクトでは動いておりません。複数のプロジェクトを抱えています。原価をプロジェクトに振り分ける際 、どのような基準で行うのが妥当なのでしょうか?
派遣業務は発注元の事業所でパソコンを借りて仕事していますので人件費と交通費のみです。請負業務・販売目的ソフトウェアの開発業務・自社利用ソフトウェアの開発業務は自社事務所で自社のパソコンを使い作業をしています。全ての業務について同一人物が単一のプロジェクトでは動いておりません。複数のプロジェクトを抱えています。
A7.
結論: 業務に何がコストとしてかかってくるかによってコスト毎の複数の基準が考えられます。ただ、複数のコストであっても主なコストにかかる基準を全てに適用する考え方もできます。
説明:
@ 派遣業務については、該当者の人件費が原価の中心となりますので、各人のプロジェクト毎の作業時間が目安になると思われます。
A 請負業務・販売目的ソフトウェアの開発業務・自社利用ソフトウェアの開発業務は、自社内で作業していますので人件費以外にも家賃・水道光熱費等の項目や消耗品費・事務費等の項目もかかっています。原則として人件費はプロジェクト毎の作業時間、その他の諸経費についてはどのプロジェクトの為の費用なのかを特定してプロジェクトに直課するのが筋です。特定できない費用については合理的な基準(家賃・水道光熱費等は人数割りや面積基準等)で按分すべきです。しかしながら人件費が中心のソフト開発であるならば、家賃・水道光熱費・消耗品費・事務費等を一律作業時間を基準にしてプロジェクトに振り分けすることも考えられます。