ソフトウェア開発の会計実務Q&A
Y 販売目的ソフト開発業務のフロー

Q35. 販売目的ソフト開発業務での原価計算のフローを教えてください。

:その原価計算の仕組みは先のQ&A21、22で分かりました。請負業務での原価計算のフローを教えてください。

 

A35. 起案から請求までの各段階での業務内容は以下のとおりです。

(1)研究開発やプロジェクトの構想段階

 @研究開発プロジェクトの登録

(2)プロジェクト開始(事業化)決定時点(内部会議での決定)

 @人員の決定 Aプロジェクトの登録(なお、内部会議決定の前でも業務が開始されていればプロジェクト登録する)

(3)月中:人員の作業時

 @人員はタイムシートの記入

 A経理は諸経費発生ある場合には日々の会計記録

 B給与支払の会計記録

(4)月末時点

 @人員はタイムシートを経理に渡す。

 Aプロジェクト責任者は月末で進捗状況を報告する。

(5)翌月初時点

 @人件費のプロジェクト別賦課計算を行う。

 Aプロジェクト原価のソフトウェア(無形資産)計上を行う。

 B会計システムに取り込み、月次決算書を作成する。

(6)試作品(β版)完成時(ここでいうβ版は研究開発費等に係る会計基準及び実務指針で言うところの最初の製品マスタ所謂製品マスタver0を指しています。以下β版の意味は同じ)

@プロジェクト責任者は内部にて試作品の稼動を確認して稼動状況報告書を作成し経理に提出する。

Aベータ版完成から製品マスタ完成(量産開始まで)の作業を集計する。この分が会計上ソフトウエア資産計上となる。なお、(2)のプロジェクト開始からベータ版完成までは、会計上は試験研究費計上、法人税法上は資産計上となり、ソフトウエアの原価集計期間が会計と税務では異なる。

(7)製品マスタ完成・量産開始時

@プロジェクト責任者は内部にて製品マスタ完成品の稼動を確認して稼動状況報告書を作成しサービス提供報告書を経理に提出する。

A終了月の月末において最終原価計算を行うとともにソフトウェア勘定を確定し、サービス提供時より償却を開始する。

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