ソフトウェア開発の会計実務Q&A
Z 月次決算資料と予算との対比
Q40−1. プロジェクト別予算編成上の注意点を教えてください。
:私どもでは、予算の策定については、プロジェクト毎に損益表・キャッシュフロー(CF)表・人員表を策定した上で、全体の調整を図り全社合計を確定しております。プロセスとしては先のQ&A40のとおり「予算編成会議・プロジェクト予算作成上・経理での吟味・人員配員調整会議・再検討・確定」との流れになっておりますが、各段階での目的と成果物を確認しその際の留意点等を教えてください。
A40−1 結論:以下のチェックリストに纏めましたのでご覧ください。
説明:
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予算作成方針説明会(12月末) |
経理主導でプロジェクト責任者に対し作成表を配賦し記入方法を説明する。 |
プロジェクト予算の提出(1月中旬〜末) |
プロジェクト責任者からの報告(表及び口頭) |
経理での吟味(2月初旬〜中旬) |
本当に必要な費用か、売上は本当に達成できるか? |
経理からの中間報告(2月中旬)及び人員配員調整会議 |
各プロジェクト責任者へ報告とともに、人員のプロジェクト毎の配員の確定。 |
プロジェクト再予算の検討(2月中旬〜末) |
経理とプロジェクト責任者との会議のほか、担当取締役の参加で確定。 |
全社予算の確定報告(3月中旬) |
社長からの意思表明。 |
1、予算作成方針説明会とプロジェクトシート概算作成
全般 |
@ 中長期計画との整合性と部門損益人員概算(期待)の説明 A プロジェクトは黒字が前提 B 3大柱「損益(売上・費用)・キャッシュフロー(資金収支)・配員」の整合性 C 売上に直接関係ない管理部門も対象 |
プロジェクトシート作成上の注意点 |
@ シート(損益表・CF表・人件費表・摘要)の説明 A 使用勘定科目の説明 B 摘要は勘定科目毎に相手先・入出金の説明 C 当月発生と入出金の違いについての説明と差額分の把握。 D 赤字の場合には、その理由と実施する場合の理由の記載 E 人員については、各クラスより人員を合理的に選定する。 F 部門予算不足額ついての営業引合案件のランク付け |
2、経理での吟味
全般 |
@プロジェクトシートの合計が部門・全社の目標と一致しているか? |
プロジェクトシートのチェック |
@ 赤字プロジェクト採用の合理的な理由の吟味 A 勘定科目の異常性の有無 B 人員別スケジュール表の打ち出しとクラスの整合性 C 売上:実現可能性:昨年との対比 D 費用:金額の妥当性:昨年との対比 E 部門別・不足額・余裕等の把握。 F 各人の業務行為と配員表の整合性 |
3、経理からの中間報告及び人員配員調整会議
全般 |
@ 重複人員調整と外注先応援 A 利益額・利益率からのプロジェクト優先順位の報告 B 3ヶ月先の人員業務の確定 C 部門別・不足額・余裕等の報告と営業引合案件の高ランクのプロジェクトシート化 D 人事の参加
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プロジェクトシート |
@ 経理指摘事項の説明とそれへの回答 A プロジェクト責任者からの要求と経理の回答 |
4、プロジェクト再予算の作成
全般 |
@ 指摘事項の組み直し A 全体的(部門・全社・中長期計画)整合性の確保 |
プロジェクトシート |
@ 中間報告時の確定額の記入 |
5、予算の確定
全般 |
@ 代表取締役と各部門長との会議 A 取締役会での承認 B 代表取締役からアナウンス C 各部門長からの説明 |
プロジェクトシート |
@ 期初予算の詳細としての保存 A 予算実績対比表への記入 |
6、その他
@ 予算実績の管理は1ヶ月ごとに行う。
A 配員調整会議は3ヶ月に1度行い、3ヶ月先の社内外人員のプロジェクト別の配員の確定とプロジェクト損益・キャッシュフローの3ヶ月先を確定する。