グループ通算制度を採用すると地方税が増税となるケースがある?!
グループ通算制度を採用すると法人住民税のうち、法人税割額が通算制度を採用しない場合に比して増税になるケースがある!
実際例
親会社P社のR5.7期所得はありましたがグループ通算子会社S社からの損益通算32,000円と自社特定欠損金861,377円で課税所得は0円となり法人税額は課税されていません。
ところが、地方税6号様式及び同別表1では、損益通算32,000円のみ調整され法人住民税が490円(課税標準法人税額7,000円)発生しております。
国税別表7(1)記載の法人税の繰越欠損金は465万円と32,000円以上ありますので、単体決算ならば他社からの損益通算額を使用しなくとも法人税額は発生しないケースです。
要旨
R5.7期 | P社 | S社 | |
別表4 | ㊴欄 | 893,377 | △ 32,000 |
㊶ | △ 32,000 | 32,000 | |
㊸差引 | 861,377 | 0 | |
㊹自社繰欠充当 | △ 861,377 | 0 | |
差引課税所得 | 0 | 0 | |
別表7(1) | H30.7.31繰欠残 | 4,655,387 | 0 |
この差異は地方税6号様式別表1において調整されるものと考えましたが、地方税法による調整は、使用すべき自社繰越欠損金の調整は行われておりません。
グループ通算は国税のみ影響し地方税には影響しないとするメッセージとは不整合になります。
結論
自社繰越欠損額を持っていても通算損益が先に充当されるので、都民税法人税割400円増加する。単体納税ならば発生しないような住民税法人税割が発生する。ということです。・・言い換えればグループ通算制度の採用は国税だけでなく地方税にも影響を与える。と言えます。
国税申告書への影響は、別表5(1)、5(2)に、地方税申告書への影響は6号様式及び6号様式別表1です。